現実と数学の区別が付かない

数学ネタのブログです

ベキ級数環における平方根の計算

一般化された二項定理によれば のマクローリン展開は\begin{align} (1+t)^{\frac{1}{2}}=\sum_{k=0}^\infty \binom{\frac{1}{2}}{k}t^k,~~~\left|t\right| \end{align}で与えられます。ここで は一般化された二項係数 \begin{align} \binom{\frac{1}{2}}{k}=…

有理数のp進数展開とヘンゼルの補題

今回はヘンゼルの補題を使って次の問題を解いてみます. を ] の範囲で因数分解せよ.この式は3次式なので,因数分解できるなら ()の形の因子で となるものがあるはずなので,全ての場合を試すことでこの問題は解くことはできます.しかしこの方法には と …

3次・4次方程式の解法の覚えやすいやつ(個人の感想です)

1次方程式と2次方程式は中学数学で習います。3次方程式と4次方程式も代数的な解法が知られています。三次方程式 - Wikipedia 四次方程式 - Wikipediaしかしなんか複雑で覚えにくいですね。今回は本質的に新しい方法ではないですが,個人的に覚えやすいと思う…

位相幾何学クイズ・その1

幾何学にも初等幾何学,微分幾何学,代数幾何学などなど,いろいろな種類があります。それらは「どういう図形(多様体)を扱うか」と「どういう図形を『同じもの』と捉えるか」の2点によって区別されます。今回の記事は位相幾何学と呼ばれる幾何学に関するク…

連立方程式とその解の重複度

今日はTwitterで見かけた連立方程式を解いてみます。 \begin{align} \left\{\begin{array}{ccc} x^2+y+z &=& 1\\ x+y^2+z &=& 1\\ x+y+z^2 &=& 1 \end{array}\right. \end{align}元ネタは多分これ↓ http://mathsoc.jp/publication/tushin/0303/maruyama3-3.p…

ある数が 0 であることの証明に360年かかることもある

今日は3月14日ということで円周率の日です。ここはひとつ円周率をネタに記事を書いてみましょう。円周率は と無限に続く数ですが,時間と計算のリソースさえあれば理論的にはには第何桁目までも計算することはできます。しかしそのことをもって,我々が円周…

美術が文学よりも奥が深いことを数学的に証明してみる

警告 この記事はうっかり現実と数学の区別が付かなくなって書いてしまったクソ記事です。ご注意ください。 今日は絵画・彫刻などの美術が,俳句・短歌・小説などの文学よりも奥が深いことを数学を使って証明してみましょう。まずは何をもって奥が深いという…

働きアリの法則と微分方程式

こんな面白い記事がはてブに上がっていました。ざっくり言うと,350回以上も引用された,「ロサダの法則」というものを提唱した心理学の論文があるのですが,そこで使われている微分方程式のモデルに妥当性が全く無いことが明らかになったというお話です。そ…

京大数学2018問2とブニャコフスキー予想

今年度の京大の入試問題がネットでも見られるようになりました。 kaisoku.kawai-juku.ac.jp 理系数学の問2(文系数学の問3)は次のような問題でした。 が素数となるような整数 を全て求めよ。この問題自体は割と簡単に解けます。解答例: 以下, は全て で考…

エレガントに解いてみる ~連続して先手番を引いてもクレームを入れないであげておくれよの巻~

将棋ソフトPonanzaのメイン開発者である山本一成さんのnote。note.mu 問 コインを100回投げて、表か裏が10回連続で出る確率は? 道に落ちている食べ物は拾って食べてしまい,ネットに落ちている数学の問題は解いてしまうのが人間の性というやつです。今日は…

数理モデル化の効能と,掛け算の順序問題

現実の問題を数学の問題に翻訳することを数理モデル化と言います。数理モデル化の効能はもちろん数学を問題解決に使える事です。今回はその効能をもう少し詳しく見ていきましょう。この数理モデル化の効能を理解すると,なぜ数学者をはじめとする理系の教育…

「数学」と「実在論」

はじめまして。気まぐれで数学に関するブログを始めてみました。 数学に興味があって勉強したい,もしくは仕事などで使うので数学を勉強しなければならないという人達にとって,何の役にも立たないような内容を目指してやっていきたいと思います。 世の中に…