現実と数学の区別が付かない

数学ネタのブログです

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

離散フーリエ変換と中国剰余定理

今日紹介するのは離散フーリエ変換は中国剰余定理としても理解できるというお話です。この見方をすると,合成積が離散フーリエ変換で積に化ける理由がよく分かります。 離散フーリエ変換 を正整数とし, を の原始乗根をします。長さ の複素数列 に \begin{a…

数値的半群環のイデアルの生成元の数

を体とし,正整数で定まる の部分環 ,または の部分環 を数値的半群と呼びます。MathPower にも出ていた可換環論botこと龍孫江さんの今日の記事で次の定理が示されていました。定理 のあらゆるイデアルは,高々2個の要素で生成される. blog.livedoor.jp こ…

留数定理とリーマン・ゼータ関数

この記事は留数定理については学習済みであることを前提にしています。今日はリーマン・ゼータ関数\begin{align}\displaystyle\zeta(s)=\sum_{n=1}^\infty \cfrac{1}{n^s}\end{align}の が正の偶数のときの値 を留数定理を使って計算します。 はベルヌーイ数…

ラッセルのパラドックス

今日は有名なラッセルのパラドックスが起きるメカニズムを考えてみます。ラッセルのパラドックスは数学の基礎である集合論に対する重要な問題提起となったものですが,ラッセルのパラドックスが起きるメカニズム自体には集合論は関係ないというお話です。 ラ…